『灰被り姫の憂鬱』
- 2014/06/14
- 22:36
ヤンデレってこの時代からいたみたいだね。ボクは好きだけどね、ヤンデレ。
まずは、そうだな。何となくこの作品の全貌をさらっと理解してもらうために、簡単な梗概を書くよ。
季節は夏。全寮制の学校での、少年少女の学園生活を描く。ここまではよくある学園コメディにありがちな世界観だよね。でも、この作品の肝と言ってもいいのが、灰被り姫の儀式だ。それが加わることで、初めて『灰被り姫の憂鬱』という作品が成り立つと言ってもいい。
灰被り姫の儀式とは何か。
クラス全員の男女で、一人の女子を凌辱する。それが、灰被り姫の儀式だ。何故そんな儀式をする必要があるのか?
主人公は、それを受難と解釈している。まぁ、とにかく、少しでも気になったのなら、やってみるといい。自分の目で確かめる方が、確実だからね。さて、ではあらすじは終わりにして、一つ一つ思ったことを抽出し、感想を述べていこうと思う。
冒頭から首吊り死体。朝日が差して、神々しさを感じる。死者を朝日が照らす倒錯的なCGは、天国と冥界、二つの神秘性を同時に示しているのかもしれないね。まぁ、正解なんてないし、終始示唆的なシナリオで終わってしまうのがこのゲームの悲しく、そして素晴らしいところではあるんだけど。
なんだろう、ね。このゲームの魅力を言葉で説明するのは、とても難解だ。
世界観はとても不思議で、でも妙な魅力がある。どこが魅力って、まずはそう、音楽だね。宗教的で、どこか透明感のあるメロディは、いつまで聴いていても飽きない。だからボクは、気付くといつも、この『灰被り姫の憂鬱』のBGMを聴きながら、幻想に浸っているんだ。まぁ、ボクのことはどうでもいい。次の話に進もうか。
絵は、正直に言うと、ちょっと古い感じはするね。萌え絵ともかけ離れているし、だからといって写実的でもない。
シナリオは、そうだね。読みやすいという訳じゃないし、けれど読みにくい訳でもない。だから、読み進むことは苦じゃない。それにいつの間にか世界観にどっぷり浸かっているから、ある意味では完璧なテキストと言えるかもしれないね。だけど、そう……このシナリオには美点と汚濁の二つの側面を備えた、不思議な欠点がある。それは、説明の不足だ。
説明の不足。言ってしまえば、簡単だね。途中から、何が起きているのか読み手が把握できない、というシナリオとしては最悪と言ってもいい状態が続く。なのに、逆にそれがこの『灰被り姫の憂鬱』の魅力とも言えるんだ。
矛盾している? そうだね、物語としてこれほどの破綻は有り得ない。なのにそれが魅力。どういうことだろう。噛み砕いて言うのであれば、不可解に対する陶酔、と言えるかもしれない。
国語の問題で、登場人物の心情や、比喩について問題を解いたことがあると思う。この『灰被り姫の憂鬱』に関しては、その問いに対する回答が、ほぼ無限なんだ。読み手の数だけ、答えがある。それが、『灰被り姫の憂鬱』の魅力だ。少なくとも、ボクはそう思っている。
さて、そろそろこの紹介分も終わりに近づいてきている。これだけで終わらせるのも少々物寂しい。だから、そうだね。どうしてボクがこの作品を好きになったか、魅力は何なのか、を書こうと思う。
そうだ、重要なことを忘れていた。キャラクターの紹介だ。これをしていなかった。
登場人物は皆、どこか空ろで、何かが欠けているような感じがする。それは主人公も同じで、その空虚感がより、世界観を引き立てているように思える。
全員に言えるのは、羞恥心の欠落かな。性行為をすることに対する戸惑いや、拒絶感が無いんだ。なんだろう、こう、握手をするような気軽さで、男女が昼間から教室で交わっている。そして、死への恐怖。鉄棒に死体がぶら下がっているのが日常なので、どうやら麻痺してしまっているらしい。「宿題やった?」こんな気軽さで、「今日は何人吊るされた?」というやりとりがままある。こういった猟奇的な世界観を日常的に捉える倒錯感も、この作品の魅力の一つだ。
そして、そんな猟奇的世界にも、恐怖は存在する。様々な感覚が麻痺し、欠落したこの世界において定義される恐怖とは何か。ここだけでも、充分に見応えはあるかもしれないね。
さて、それではそろそろ終わろうと思う。
是非、これを読んだ貴方も、”問い”に対する答えを見つけて欲しい。
その”問い”は何だっていいんだ。この作品のテーマは何か、伝えたいことは何か、設定はどうなっているのか。その”問い”に対する答えは無限で、
それは貴方だけの答えなのだから。
クリックで購入ページにとべる。


まずは、そうだな。何となくこの作品の全貌をさらっと理解してもらうために、簡単な梗概を書くよ。
季節は夏。全寮制の学校での、少年少女の学園生活を描く。ここまではよくある学園コメディにありがちな世界観だよね。でも、この作品の肝と言ってもいいのが、灰被り姫の儀式だ。それが加わることで、初めて『灰被り姫の憂鬱』という作品が成り立つと言ってもいい。
灰被り姫の儀式とは何か。
クラス全員の男女で、一人の女子を凌辱する。それが、灰被り姫の儀式だ。何故そんな儀式をする必要があるのか?
主人公は、それを受難と解釈している。まぁ、とにかく、少しでも気になったのなら、やってみるといい。自分の目で確かめる方が、確実だからね。さて、ではあらすじは終わりにして、一つ一つ思ったことを抽出し、感想を述べていこうと思う。
冒頭から首吊り死体。朝日が差して、神々しさを感じる。死者を朝日が照らす倒錯的なCGは、天国と冥界、二つの神秘性を同時に示しているのかもしれないね。まぁ、正解なんてないし、終始示唆的なシナリオで終わってしまうのがこのゲームの悲しく、そして素晴らしいところではあるんだけど。
なんだろう、ね。このゲームの魅力を言葉で説明するのは、とても難解だ。
世界観はとても不思議で、でも妙な魅力がある。どこが魅力って、まずはそう、音楽だね。宗教的で、どこか透明感のあるメロディは、いつまで聴いていても飽きない。だからボクは、気付くといつも、この『灰被り姫の憂鬱』のBGMを聴きながら、幻想に浸っているんだ。まぁ、ボクのことはどうでもいい。次の話に進もうか。
絵は、正直に言うと、ちょっと古い感じはするね。萌え絵ともかけ離れているし、だからといって写実的でもない。
シナリオは、そうだね。読みやすいという訳じゃないし、けれど読みにくい訳でもない。だから、読み進むことは苦じゃない。それにいつの間にか世界観にどっぷり浸かっているから、ある意味では完璧なテキストと言えるかもしれないね。だけど、そう……このシナリオには美点と汚濁の二つの側面を備えた、不思議な欠点がある。それは、説明の不足だ。
説明の不足。言ってしまえば、簡単だね。途中から、何が起きているのか読み手が把握できない、というシナリオとしては最悪と言ってもいい状態が続く。なのに、逆にそれがこの『灰被り姫の憂鬱』の魅力とも言えるんだ。
矛盾している? そうだね、物語としてこれほどの破綻は有り得ない。なのにそれが魅力。どういうことだろう。噛み砕いて言うのであれば、不可解に対する陶酔、と言えるかもしれない。
国語の問題で、登場人物の心情や、比喩について問題を解いたことがあると思う。この『灰被り姫の憂鬱』に関しては、その問いに対する回答が、ほぼ無限なんだ。読み手の数だけ、答えがある。それが、『灰被り姫の憂鬱』の魅力だ。少なくとも、ボクはそう思っている。
さて、そろそろこの紹介分も終わりに近づいてきている。これだけで終わらせるのも少々物寂しい。だから、そうだね。どうしてボクがこの作品を好きになったか、魅力は何なのか、を書こうと思う。
そうだ、重要なことを忘れていた。キャラクターの紹介だ。これをしていなかった。
登場人物は皆、どこか空ろで、何かが欠けているような感じがする。それは主人公も同じで、その空虚感がより、世界観を引き立てているように思える。
全員に言えるのは、羞恥心の欠落かな。性行為をすることに対する戸惑いや、拒絶感が無いんだ。なんだろう、こう、握手をするような気軽さで、男女が昼間から教室で交わっている。そして、死への恐怖。鉄棒に死体がぶら下がっているのが日常なので、どうやら麻痺してしまっているらしい。「宿題やった?」こんな気軽さで、「今日は何人吊るされた?」というやりとりがままある。こういった猟奇的な世界観を日常的に捉える倒錯感も、この作品の魅力の一つだ。
そして、そんな猟奇的世界にも、恐怖は存在する。様々な感覚が麻痺し、欠落したこの世界において定義される恐怖とは何か。ここだけでも、充分に見応えはあるかもしれないね。
さて、それではそろそろ終わろうと思う。
是非、これを読んだ貴方も、”問い”に対する答えを見つけて欲しい。
その”問い”は何だっていいんだ。この作品のテーマは何か、伝えたいことは何か、設定はどうなっているのか。その”問い”に対する答えは無限で、
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